Instagramで、吉村作治先生の講演会の情報を見つけました。
タイトルは「60年目の夢」。
その言葉が、なぜか気になりました。
私は中学生の頃、ビートたけしさんのテレビ番組で、エジプトについて熱く語る吉村先生を見ていました。
その印象が今でも残っています。
「60年って何のことだろう。先生の年齢のことかしら」
そんなことを思いながら、講演会に申し込みました。
当日になると、行くのが少し面倒になった
前日の夜までは、行くつもりでいました。
でも当日になると、少しずつ気持ちが変わってきました。ありったけの行かない言い訳を考え始めました。
講演は15時から。12時前くらいになると、なんだか眠くなってきました。
ごろごろしたい。今の私は、お昼寝をしたい。
外を見ると、日差しも強そうです。
着替えて、日焼け止めを塗って、支度をする。
何を着ていけば良いのかしら。楽なのはジーンズだけど、人のお話を聞くのにジーンズは失礼かもしれない。
それだけのことなのに、とても面倒に感じました。
「話を知りたいだけなら、本を読めばいいのでは?」
「最近のことなら、SNSでも分かるのでは?」
行かない理由が、いくつも頭に浮かびました。
しかも早稲田大学は建物が多そうです。会場までかなり歩くかもしれません。
気づけば、時計は13時を回っていました。
でも、せっかく申し込んだ講演会です。
次にいつ直接お話を聞けるかも分かりません。
私は、とりあえず服を着替えることにしました。
スマホと水筒を持って家を出た
何を持って行けばよいのか分からなかったので、とりあえずスマホと水筒を持ちました。
講演会の申し込みメールを確認し、場所と行き方を調べました。
そして家を出ました。
正直に言うと、戸締りをするのも面倒でした。
身体は重かったです。
それでも、会場へ向かいました。
会場に着いて、来てよかったと思い始めた
会場には、開始15分前に到着しました。
入口で講演会申し込み完了の主催者からの返信メールを見せて入室しました。
最近は返信メールが入場券の代替の時代なのかしらと思いました。
事前にメールを開いておいてよかったです。
私はいつも、必要なメールが見つからずに慌てることがあります。そのバタバタだけで疲れてしまうのです。
会場に入ると、すでに席は6割ほど埋まっていました。
前から4列目に、たまたまひと席だけ空いているのが見えました。
「すみません」
と小さく声をかけながら、その席に座りました。
せっかく来たので、できるだけ前で聞きたかったのです。
法学部の建物の中に、600人ほど入れそうな大きな会場があることにも驚きました。
大学という場所の大きさを、あらためて感じました。
テレビで見るのとは、まったく違った
講演は60分の予定でしたが、実際には90分ほどありました。
吉村先生は、60年間の研究人生や、エジプトでの発掘調査について話してくださいました。
「60年」というのは、先生がエジプトのピラミッド発掘に関わってきた年月のことでした。
84歳になった今も、クフ王の墓について熱く語る姿がとても印象的でした。
テレビで見るのとは、まったく違いました。
会場にいる人たちは、先生の言葉を一言も聞き逃さないように、集中して聞いていました。
同じ空間で、直接話を聞く。
時々、会場の人たちと一緒に笑う。
それが、とても楽しかったです。
試行錯誤の話に、気持ちが少し楽になった
先生のお話の多くは、試行錯誤の連続でした。
最初の苦難は、エジプトへの交通費だったそうです。飛行機だと48万円かかる時代に、1966年にエジプトへ行くための費用をどう捻出するか、知恵を絞ったお話はとても刺激的でした。
念願のエジプトの地を踏んだ時の気持ちは、いかばかりだったことでしょう。
私も初めてバンクーバーに降り立った時の気持ちを思い出しました。好奇心の塊だった頃です。
うまくいかないこと。
思い通りにならないこと。
それでも考え、工夫し、続けていくこと。
最近の私は、考えなければならないことが多く、気持ちがかなり疲れていました。
どうしたらよいのか分からなくなる日もありました。
でも先生のお話を聞いているうちに、不思議と気持ちが少しリセットされていきました。
「問題があるのは当然。試行錯誤しながら進めばいい」
そんなふうに思えてきました。
行ってよかった
帰り道、私は素直に思いました。
「来てよかった」
そして、もうひとつ強く感じたことがあります。
私も、残りの時間をもう少し熱量を持って生きていきたい。
最近は、目の前の問題に追われて、自分の感覚を後回しにしていた気がします。
でもこの日は、久しぶりに「自分が行ってみたい場所」へ向かいました。
そして、誰かの情熱に触れて、少し前を向く力をもらいました。
次回のための持ち物メモ
今回、少し反省したこともあります。
遠くを見る用のメガネを忘れてしまい、先生の表情が少し見えづらかったのです。
それから、紙と鉛筆も持って行けばよかったと思いました。
次に講演会へ行くときは、次のものを持って行こうと思います。
- スマホ
- 水筒
- 予約メール
- 遠くを見る用のメガネ
- 紙と鉛筆
行く直前が、いちばん面倒なのかもしれない
講演会やイベントは、行く直前がいちばん面倒なのかもしれません。
眠い。
暑い。
支度が面倒。
行かなくてもいい理由はいくらでも出てきます。
でも、実際に足を運んだからこそ受け取れるものがありました。
本やSNSだけでは分からない空気があります。
同じ場所で、同じ時間に、誰かの話を聞く。
その体験は、思っていたよりも大きなものでした。
行くか迷ったけれど、行ってよかった。
そんな一日でした。